SKYMAP WEBLOG

スカイマップ株式会社の中の人(@tmnr0202)によるWEBLOGです

写真測量学会&ESRI GISコミュニティフォーラム

先週、先々週と東京に2週連続、行っていました。
いろいろとイベントも行けたので、その報告。

 まず日本写真測量学会。比較的"堅い"この学会にも"UAVきたな"という印象でした。
 実質UAVのセッションとなっていた「セッションJ 写真測量」は立ち見ありの大盛況で、精度を追求する話が2件に、公共測量にUAVを利用するためのマニュアル作成の話。そんなのが続いて、あー、写真測量学会なんだなと思いました。皆、測量がしたいんですね。UAVは調査目的、精度はまあまあでいいから、とにかく手軽にっていう路線でばかり捉えていましたが、精度はどうだ、誤差はどうだのザ・測量の路線もあることが新鮮でした。
 測量協会の方の発表では、1/500などで国土地理院の審査も通過した実績ありとのことでした。最近のUAV技術の進歩は目を見張るスピードなので期待大です。ベンダーフォーラムでも測量機器大手のRIEGLやLeicaがUAVの話をしていました。

イメージ 1 続いてESRIジャパンのGISコミュニティフォーラム。こちらは"オープンデータ"が今回のテーマのようでした。(行きしなに富士山見えました)
 室蘭市のオープンデータの話は、非常に先進的な事例で、ニュースに出た時から気になってたので、中の人の話が聞けて良かったです。航空写真撮影の際に、皆で写りこみましょうと市民にアナウンスした話も聞けて面白かったです。
 一方で隣の森林管理とGISのセッションを覗いてみると、ローカルしかも所内でも情報見れる人は限定みたいな話もあって、もちろん目的の違いもあるはずですが、結構、オープンに対する雰囲気が違うなと感じました。

 GISデータは可能な限り共有すべき、そうすればもっとGISの浸透も早くなるのに、そう、大学時代から思ってました。僕の周りにも結構そういう考えの人いました。同じトレース作業や、同じオルソ処理を誰かがやるのは無駄ですし、何より当時は手に入るデータが殆どなく、GIS触るにはまずデータ作りからスタートでした。
 いずれ室蘭市のように「市が保有する様々なデータのうち、個人情報など公開できないものを除くデータについて、2次利用可能な形で積極的に公開します。」という流れになっていくのかもしれません。そうすればデータが存在するところからスタートでき、GIS関係者としては嬉しい限りです。

最後にESRIのイベントでは北大絡みの懐かしい面々にたくさん出会え、またその方たちのお陰で新しい出会いもたくさんあったことに感謝感謝でした。当時、とってもフィールドワーカーだった同級生が「最近の俺、現場っつってもサーバールーム!」と話していて面白かったです。
スカイマップ株式会社 http://www.skymap.co.jp/

「Geoアクティビティフェスタ」で発表・出展してきました。

国土地理院主催の地理空間情報に関わる技術展
「G空間EXPO2013 Geoアクティビティフェスタ」で発表・出展してきました。
http://www.g-expo.jp/geofes/

サーモマップについて、
河川域の湧水調査だったり、都市域のヒートアイランド調査だったり、
小型有人ヘリと熱赤外センサを用いた環境調査の紹介をして参りました。

発表資料など詳しくは弊社HPにて掲載してます
http://www.skymap.co.jp/gakkai.htm

 
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2013.11 スカイマップ株式会社 http://www.skymap.co.jp/

日本写真測量学会へ行ってきました

「日本写真測量学会 平成25年度年次学術講演会」
http://www.jsprs.jp/conf/2013/spring/JSPRS_13Spring_Program_130513.pdf

今回の学会で、まず感じたことの一つは用語の"揺れ"が減ってきたのかなということ。下のように見受けられた。うちも表記を揃えていこうと思う。

ウェーブフォーム→×
波形記録式→○
LP→×
レーザープロファイラ→×
航空レーザー→○
Lidar→○      (×はダメという意味でなく、見かけなかったワード)


以下、気になった講演について感想を。

【D-1】 航空写真を用いた単木の自動抽出に関する研究

○和田 哲馬・市川 昌広・松岡 真如(高知大学)

空中写真のみから樹木位置を自動抽出する話。航空Liderデータで周囲より凸になる箇所を梢端位置として抽出する技と似ていて、グレースケールにして画像の明るさを使って、周囲より明るい画素を梢端とする方法。

対象はスギとヒノキといった人工林に限られる方法で、正答率もまだまだとのご発表だったが、空中写真において樹木は確かに先端の方が明るくなるし、初めて聞いた私には面白い発想に感じた。

また目的として、樹林密度がゴールではなく、一本一本のホントの位置を出したいと仰られていたのも印象的だった。最近、地理空間に関する技術向上の証しなのか、単木レベルでの森林管理の話題をちらほら耳にする。


【E-1】 波形記録式航空機LiDARの波形データからの地盤抽出手法の開発
○本田 謙一・鈴木 久美子・今井 靖晃(国際航業)・その他3名

観測波形のエコーからファースト、セカンド、サード・・ラストとピークを抽出する新手法の提案。これにより地盤の充填率が1.2倍になったと。

ササ地のDEMがきれいに出ていて、良い感じだった。航空Lidarの成果で、"草"の高さ分くらいおかしい気がするとは、よく聞く話。これによって解決されると素晴らしいと思う。

レーザー機器は波形記録式が一般になってきているが、まだまだ使いこなしている話は見かけない。今回のような話は注目していきたいと思う。林学をやってきた人間としては、やはり2層目の森林DSMをうまく取れるようになりたいと思う。


【E-2】 航空測深レーザ計測による河川、海岸線の地形計測

○金田 真一・井上 武士・吉永 剛(アジア航測)

セスナに航空測深レーザー(ALB:Airborne Lidar Bathymetry)を載せた実験報告。
狙う対象は、これまで「胴長GPS」か「小型船+音波」でやっていた透明度の高い浅瀬のみ、もっと深い場所や濁った水は別の方法に任せるとのスタンス。(こういうの明確にしておくのは大事)

現在、日本におけるALBの導入は、海上保安庁のみであり、民間レベルでの導入は遅れていてる。その理由は、機材が大型かつ高価であることが主な原因。そんな中でのこの発表。期待大。

今回使ったリーグル社の VQ-820-G は、出力の弱いレーザーを使いながらも、高い計測密度を持ち、何よりレーザー波長帯が緑色一系統のみのために軽く、通常200~400kgの機材が多い中、30kg程度で済むとのこと。これによって、小型機であるセスナ206への搭載も可能と。

神奈川の小田和湾で実験した結果、水深4m程度まではオッケーだったと。適用範囲は、透明度と底質の反射率(通常のLidarと同じく黒いより白い方がよく反射)によるとのこと。

航空機から水中の地形を測る、この需要は昔からどこにいっても聞く。需要は多い。ぜひともビジネスラインに載せて、簡単に利用できる日が望まれる。

他にもいろいろあったが、長くなるのでこの辺でオシマイ。インプット多く、いろいろと勉強になりました。ありがとうございました。

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岸和田城と桜と

今日は春うららかな気候だったので、用事ついでに自転車で遠回りして帰ってきました。桜は満開、すれ違う人は、皆、笑顔。春ですね~。

岸和田城と桜

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母校の岸和田高校と桜
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「エゾシカフェ(たぶん、日本初のエゾシカ専門カフェ)」へ

エゾシカのテリーヌに、たたきに、調理前の心臓。

先輩が営んでる三茶のエゾシカフェ(エゾシカ専門カフェ)に先日行ってきました。蝦夷鹿食べるのも、皆と会うのも久しぶりで楽しい時間でした。心臓が、思ったよりデカかったのと、写真にないですがエゾシカソーセージが濃くて赤ワインに最高だったのが印象的でした。

14日のNHKクローズアップ現代「ハンターが絶滅する!?」でも取上げられましたが、狩猟や野生動物の話は、最近、注目の波が一気にきてるように思います。私のSNSのTL見ていても、これ然りで。これを機会に、是非うまく共生していけるサイクル、文化が確立されて欲しいものです。

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ところでエゾシカフェ店主の石崎さん、私の北大研究室の1つ先輩で、獣肉の卸をメイン事業に株式会社クイージをしていて、友人であり経営者仲間です。アンテナショップであるエゾシカフェが、FM、雑誌、テレビと各メディアに取り上げられたり、また昨年にはNPO法人伝統肉協会を立ち上げ、その理事長も兼務していたりと、注目してなくてもその活躍が轟いてくるほど大変に優秀なお方です。鹿のカチューシャつけて環境省のフォーラムで講演したりと、とっても面白い人でもあります。

そして、私とスカイマップを繋げてくれたのも実はこの人だったりします。
これからが楽しみです。私も負けず劣らず毎日努力したいと思います。

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「森林GISフォーラム-3次元計測と森林GIS-」に参加

先週は東京で「森林GISフォーラム-3次元計測と森林GIS-」に参加。
http://fgis.jp/cont/2012tokyo2/2012tokyo2.html

名前の通り森林GISをテーマにしたフォーラムですが、中でも今回は3次元計測ということで、ステレオ航空写真DSM(表層高モデル)や、航空レーザー計測の具体的な講演があり、ドンピシャで興味深く、直接的に参考になるイベントでした。主催者、演者、紹介してくださった方、大変ありがとうございました。その中で2講演について簡単に感想を。

まずアジア航測の大野さんの発表は、航空レーザーを活用したゾーニングの話で、林相図の作成に航空レーザーの反射強度データを応用していたり、森林の垂直構造の把握に反射パルスの垂直分布を用いてみたり、なるほど流石なものでした。ハード面が先行した感のあるウェーブフォームLiderの実利用も近いかもしれません。

続いて島根大学 米先生の発表は、隠岐の島を対象に、多時期の写真DSMを使ってその変化を追っていく話で、1965、1995、2005年のDCHMが時期を経るごとに高く移っていく、スライド数枚が綺麗で印象深かったです。(見せ方も勉強になります)

航空写真の特徴として、米軍、地理院林野庁が今までに整備してきたデータがあることで、過去に遡れるという大きな利点があります。またそこからは写真測量にて表層高を出すことができ、樹冠高などに活用ができます。スパン長く考えていく必要のある森林を対象にする場合、本当に有用なデータだと思います。

あとは、樹木など地面に乗っかっている物の高さをみるためには、地盤高(DEM)が必要で、それはできるだけ正しく詳しいほどよいことになります。そうなると、やはり航空LPが正確で有用となりますが、国によって整備されたLPはまだまだ一級河川域などが中心で、山林部は既存データがあることは稀です。地盤はあまり変わらないし、とりあえず一回でいいからLP欲しいとは、森林関係の方からよく聞く言葉です。

発表ではこの辺の話もあり、これらは常日頃、僕も思う所であり、共感部分が多かったです。

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最後に話が変わって、会場の東京大学農学部 弥生講堂の写真です。ここは初めて学会発表した場所なので思い出深いです。あの時は台風。今回は雪でした(笑)

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「宝が池シンポジウム」へ参加

続いて連休二日目は京都で「宝が池シンポジウム」に参加。
 
懇意にして頂いている京都府大の先生がこぞって発表だったので拝聴に。
宝が池は撮影で自ら飛んだこともあり、更に林学出身者としては、内容そのものにも興味があっての参加です。発表は宝が池の森という1つのフィールドを対象に、それぞれの分野からの報告で、とても興味深いものでした。
 
そしてシンポジウム後半の座談会(写真)。こういうのは初めてでしたが、地元の方と話せることがホント素晴らしい!と思いました。やっぱ森や山は、その地域のためのものになって、初めてサステイナブルに成り立つものだと思います。
 
有意義な1日でした。主催者、演者他、皆さん、ありがとうございました。(私が入ったWGの司会の方が偶然にもお世話になってる方でお互い驚きでした。世間は狭いw)
 
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