「日本写真測量学会 平成25年度年次学術講演会」へ
http://www.jsprs.jp/conf/2013/spring/JSPRS_13Spring_Program_130513.pdf
今回の学会で、まず感じたことの一つは用語の"揺れ"が減ってきたのかなということ。下のように見受けられた。うちも表記を揃えていこうと思う。
ウェーブフォーム→×
波形記録式→○
LP→×
レーザープロファイラ→×
航空レーザー→○
Lidar→○ (×はダメという意味でなく、見かけなかったワード)
以下、気になった講演について感想を。
【D-1】 航空写真を用いた単木の自動抽出に関する研究
○和田 哲馬・市川 昌広・松岡 真如(高知大学)
空中写真のみから樹木位置を自動抽出する話。航空Liderデータで周囲より凸になる箇所を梢端位置として抽出する技と似ていて、グレースケールにして画像の明るさを使って、周囲より明るい画素を梢端とする方法。
対象はスギとヒノキといった人工林に限られる方法で、正答率もまだまだとのご発表だったが、空中写真において樹木は確かに先端の方が明るくなるし、初めて聞いた私には面白い発想に感じた。
また目的として、樹林密度がゴールではなく、一本一本のホントの位置を出したいと仰られていたのも印象的だった。最近、地理空間に関する技術向上の証しなのか、単木レベルでの森林管理の話題をちらほら耳にする。
【E-1】 波形記録式航空機LiDARの波形データからの地盤抽出手法の開発
○本田 謙一・鈴木 久美子・今井 靖晃(国際航業)・その他3名
観測波形のエコーからファースト、セカンド、サード・・ラストとピークを抽出する新手法の提案。これにより地盤の充填率が1.2倍になったと。
ササ地のDEMがきれいに出ていて、良い感じだった。航空Lidarの成果で、"草"の高さ分くらいおかしい気がするとは、よく聞く話。これによって解決されると素晴らしいと思う。
レーザー機器は波形記録式が一般になってきているが、まだまだ使いこなしている話は見かけない。今回のような話は注目していきたいと思う。林学をやってきた人間としては、やはり2層目の森林DSMをうまく取れるようになりたいと思う。
【E-2】 航空測深レーザ計測による河川、海岸線の地形計測
○金田 真一・井上 武士・吉永 剛(アジア航測)
セスナに航空測深レーザー(ALB:Airborne Lidar Bathymetry)を載せた実験報告。
狙う対象は、これまで「胴長&GPS」か「小型船+音波」でやっていた透明度の高い浅瀬のみ、もっと深い場所や濁った水は別の方法に任せるとのスタンス。(こういうの明確にしておくのは大事)
現在、日本におけるALBの導入は、海上保安庁のみであり、民間レベルでの導入は遅れていてる。その理由は、機材が大型かつ高価であることが主な原因。そんな中でのこの発表。期待大。
今回使ったリーグル社の VQ-820-G は、出力の弱いレーザーを使いながらも、高い計測密度を持ち、何よりレーザー波長帯が緑色一系統のみのために軽く、通常200~400kgの機材が多い中、30kg程度で済むとのこと。これによって、小型機であるセスナ206への搭載も可能と。
神奈川の小田和湾で実験した結果、水深4m程度まではオッケーだったと。適用範囲は、透明度と底質の反射率(通常のLidarと同じく黒いより白い方がよく反射)によるとのこと。
航空機から水中の地形を測る、この需要は昔からどこにいっても聞く。需要は多い。ぜひともビジネスラインに載せて、簡単に利用できる日が望まれる。
他にもいろいろあったが、長くなるのでこの辺でオシマイ。インプット多く、いろいろと勉強になりました。ありがとうございました。